-4℃黒の領域/凍月
そこには雲ひとつなく
静かな青空があった
白い太陽の線が
存在を地上に焼き付けた
影
僕の形をした暗黒
何も語らず
何も見ず
僕と同じ動きしかしないが
深い深い底無しの
夜や宇宙のような
永遠の黒の中
醒めきって冷えきった感情が
銀河のように渦巻いている
僕と同じように動く?
人の形をした、黒い穴
もう一人いるのだ、僕は
喜怒哀楽の哀しさだけを取り出し
憎しみ、恨み、妬み、怖れ、卑下、傲慢、孤独の入ったパレットに入れて
それぞれの色を全部混ぜて出来た
濁った濁った混沌の黒
ひたすらに黒い僕がいるのだ
急に悲しくなる
苦しくなる
ま
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