夏へグッバイ/もっぷ
 
夏翳りゆきひと雨ごとのはざかいが沁みてくる
ニッポン脱出計画は高校一年の時すでに懐いていた
いまはもう無理をしってる
遠くなってしまった旅の日日、もう二度とはかなわない

ゆくすえは視えてきて
わたしの骨は母国に
それはいつまで
マンモスのおしまいに思いを馳せつつ

草、花、あるいはアスファルト
ちいさな空をみあげる東京の早朝
今朝も自転車で風になったつもりの物語

かなしみを越えて、それは実はそうではなく
生きるということそのすべてだったのだと
信じたい夏は翳りゆく



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