サイクル/桂
プロローグ〜〜〜
止まってしまった歯車に手を置いて
故障箇所を探す
もしやと 思い胸に手を当てる
皆が去った後もうるさく鳴り響く心音 ここがきっと故障箇所
せき止められていたダムに亀裂が入りその隙間めがけ押し寄せる水が壁を壊し街を飲み込む時のように
取り返しようのない後悔が僕を飲み込んだ
手遅れだと思いつつ
涙を拭いて錆び付いた歯車に油をさす
遠い祖先がわざわさ木から降りて見たかった景色とはこんな世界なのだろうか?
立ち上がって自由になった両手で僕らは一体何を掴めたのだろう?
♯1
仲間と池のほとりで水を飲み
クチバシで丁寧に羽の手入れをする
「次の旅は長くなる
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