夏休みが終わるまで/無花果
 
ふとした瞬間
目があって
すれ違った指が
ほんの少し触れて
特に意味もなく思い出し
ふふ、と頬を緩ませて
ちょっとだけ
お話して
微笑みあう

それだけでいい
短くていい
ずっと大人になったときには
思い出せないぐらい、
ほんの小さな恋がしたい

夏休みが終わるまででいい

ここは、
勉強ばかりの退屈な場所ですから
ちょっとだけ
あなたを借ります。




戻る   Point(1)