肩から力を抜く/殿岡秀秋
 

ピンで留めたように
肩に力がはいっていると
指摘された

意識して
力を抜くと
肩がわずかに下がる
同時に
手も
いつもの位置より
下にいく

気づかないまま
常に
力んでいたのだ
そのために
重心が上がり
安定しない身体のままでいた

だから
ぎごちなくなって
こころの不安が
溜まっていったのではないか

腕から力を抜けば
肩の力も抜けている
と勘ちがいしていた
肩は肩で
緩めなければならない

まだ身体のどこかに
緊張が溶けないまま
しこりになっている
組織があるかもしれない
こころにもまた
毛を逆立てた猫が
目を光らせているかもしれない

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