紙きれにうかんだ怪談みたいなダイアリー/さわ田マヨネ
しかくてきあるいは手にひびく感触として
ぷつぷつという音はなるのでしょう
そうやってミシン目をきりはなすみたいに
つつましくやぶられていった約束の
かたわれがまだどこかにあったようなきがしてて
/
ひさびさな
にねんぶりくらいの帰省でのこと
いえにかえってまず思ったのは
実家でのいごこちが
(しらぬまに)
いちだんかいだけあげられているようで
だれかのいんぼうなのだろうか
そうしたぬくもりにふやけはじめていたゆびさきで
それとなくあけてしまった
学習机のさんばんめ のひきだしからは
わりとつかいこんでいたはずなのに
きれいな状態の算数セット
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