「ストロベリーキャンディーの心臓」/
桐ヶ谷忍
たとえばこのストロベリーキャンディーが
私の心臓だと言ったら
あなたは口に含んで舐めて溶かして
身体の一部にしてくれるだろうか
それとも捨ててしまうだろうか
甘く感じてくれて
最後は噛み砕いて飲み込んでくれるか
包み袋すら
破いてはくれないか
ふたつにひとつなんだ
きっとそんなもんなんだ
ねえこれが私の心臓だとしたら、と言って
あなたに差し出してみたい
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