あまてらす予備軍/初谷むい
雨の日であなたが触れた箇所だけあつい
星だらけ拾って投げてそれでいい僕のほうなど見ずにあなたは
かなしみは子宮に満ちてきみの爪きみの温度で破って(欲しい)
虚言症かわすたび瞼の裏に溜まる毒素の如きほんとう
詰まらない恋をしていて桃の皮撫でれど撫でれど君が消えない
それが罠だったって違ったっていい呼吸を数えて朝を抱きたい
はつなつの絆創膏のようなひとあなたが天涯孤独ならいい
こんな目の色を忘れて微笑んだ あなたの傷がひかる午後4時
つめたくてあまい発作を待っている 遠い昨日の指先の色
飛び散ったちかちかたちを掃き溜めて丸めて戻したい、夏の卵
月の極 下がらぬ微熱と引力でゆっくり歩けばきみに会えるよ
ぬるい水呑むよな呼吸繰り返しわたしがいるのはさみしい場所だ
twitterで発表していた短歌です、溜まったのでまとめてみました。
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