「サイクル」/
桐ヶ谷忍
蝶の道のように
川を遡る魚のように
潮が満ち引くように
陽が昇り落ちるように
鳥が巣に帰るように
私はこの家に帰ってくる
もしもあなたがこの家から居なくなっても
ここが私の戻る場所
あなたの飲み残した珈琲のカップと
あなたのかたちにへこんだ布団がある家
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