テレビしかみなかったひに、/mugi
 
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とてもおなかがすいたので、

おおきく口をあけてみた、

すると小魚たちが、

つぎからつぎへと、

のみこまれていった、

ぼくはくじらだったから、

かなしいうたはうたえない、






そんなにおおきな荷物をはこんだあとでは、

もうどこにもいけるような気はしなかったから、

食器のはいった段ボールにいっしょにつめこんだ、

赤貝とか、さんまの蒲焼きとか、そういう缶詰で、

簡単な食事をとって、それから、

踏切がおりて、電車がとおりすぎて、また踏切があがるくらいの、

みぢかい昼寝からさめる、なつのせなか
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