遺書/葉leaf
どこまでも弱くて、世界が耐えがたくて、そんな脆い自我が世界を破壊しようとした。私は世界の侵攻で既に満身創痍、これ以上は世界と刺し違える他はない。特に美しいものや優れたものほど私を傷つけた。だが私の現実に手の届く範囲はあまりにも小さく、勝つ術のない闘いにせめて虚構を創り出し勝とうとした。虚構の創造は世界と対抗するために新しく世界を立ち上げる争いなのだった。私は虚構世界に遍在し、体積と容量を増やして世界の無限に消されまいと水を飲み続けた。
この手は初めから汚れていた。生まれたときから血まみれだったんだ。手をきれいにするために私は人を傷つけた。人の返り血を浴びてもともとの汚れが洗い流されてい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)