遺書/葉leaf
 

私はノイズの集積であり、ここに残される言葉はその中でも特にノイジーなものだ。私は音楽にいつでも憧れていた風の音だった。理性と論理で全てを切り抜きたい欲望のノイズだった。私は絶え間なく逸脱していく。逸脱していく私から更に逸脱していくもの、それが騒がしく遺書として残る。

例えば死産した恋がナイフのように机に仕舞われていること。胚胎されながら流産してしまった幾つかの恋が、私を傷つけようといつも狙っていること。私は死んだ恋の刃に対抗できるだけの鋭い切っ先を、感情の棘として遂に常備できなかった。だが誕生した恋はより鋭いナイフであり、しかもそれは愛でも憎しみでも互いを突き刺すものなのであった。

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