自分に似てるものとの出会い/陽向
 



道路に生えている草をバッタが食べている
雨はバッタに雨粒を叩きつけるが 必死で食べている
僕は顔を近づけた つかまえてみようと手を伸ばす
バッタというものは手を伸ばせば飛んで逃げるだろう
そんなことを思いながら手を伸ばしたら 案の定逃げた

僕は一人になった
雨は上から下にまっすぐ降っているのではなく
横降りだ 服やズボンに雨がしみてくる
参ったなと思った 傘を横向きにして歩いても服がぬれる

道路を渡ろうと思ったが 運わるく右から車がやってくる
その間も雨で服がぬれる 右が終わったら次は左だ
右 左 右 左
左から来なくなり 右からも来なくなった
よし渡
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