極夜/
草野大悟2
ころころと
笑いながら
転がって
水平線と遊んでいた太陽が
すとん、という音だけをのこして
消えたときから
五感をなくし
闇にのまれた
どこからか
歌が聞こえる
エーテルの
青や緑にゆらめく風の
白い馬が
太陽を探して
嘶きながら
飛びつづけている
いまも
凍える血とひきかえに
荒れ狂う海を呑み込んだ
呆れるほどの時をかけて
必要なのは
今日というこの日に
ただ
ここに
ふたりで在る
ということだけだ、と
極夜が教えてくれた
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