下北半島のみどり/馬野ミキ
お互い豪快に積み込む
金がなくなったらプライドを賭けようと言って勝負した
クリスマスにフリーマーケットで買ったワンピースを送ったがサイズが合わなかったそうである
この頃からみどりは俺への愛を失せてきたのではないか・・
俺が送った詩を「これほんとにミキが書いたものなの?」と疑ったりした
翌年の春
俺はもう一度みどりに会いに青森に向かった
駅からタクシーで一万円を越えた
みどりは「ただやりたいだけなんでしょ?」と言った
二人の関係はすでに壊れていた
次の日、鍵を閉められ
追い出され
俺はギターを壊して
どしゃぶりの雨が降る電話ボックスの中で朝まで歌を歌って
東京に帰った。
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