下北半島のみどり/馬野ミキ
福島のお祭りへのライブ参加を終え
皆東京に帰っていったが
俺とKはN子にタカりながら北を目指した
Kの友達が青森にいるという
各駅を乗り継いで下北半島へ
皆東京では無職の歌唄いだった
当初みどりは俺たちを歓迎している感じではなかったが
その夜皆で人生について語っているうちに打ち解けた
人生の意味について、宇宙とは何か 若かった俺たちはよくそんな話をしていた
みどりがトイレに行くとき、俺の頭をポンと叩いた
これはとても素晴らしい合図だと俺は思った
次の日みどりが仕事に行った後俺は顔の産毛を剃りはじめた
俺は毛が濃く眉毛なんかほっとくと繋がってしまいそうである
つまり
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