振り向くたび/
瀬崎 虎彦
君の声が水色の海をわたっていく
さえぎるものない視界に
エコーをひびかせて溶けるように
指先でもてあそぶ砂
帰り道をしらない石ころ
路上で太陽ばかりが勇躍していた
振り向くたびにそこには死が広がっていた
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