人へ/葉leaf
 
〈明方の孤独〉
始まるものと終るものが互いに巻き込まれて静かに壊れていった。
人はまだこの世で互いの表情を交換し合わない。
太陽は自らの作る朝に呼ばれるのを待ち続けている。
僕の手近には何もない。
距離が静けさで拡張されてしまった。
僕の身近には誰も居ない。
言葉が空気を泳ぐ前に滅びてしまった

〈全てが虚しい僕へ〉
死ぬほど潔癖な独房へようこそ。
もう何も見なくていいし何も聴かなくていい。
どんなに美しいものでも今の僕には醜いから。
どんな発見も今の僕には意味がないから。
どんな優しさも今の僕には敵意でしかないから。
独房で少し独白するんだ。
全ての聖なるものへ罵
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