コンプレックス/葉leaf
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前へ逆らってくるものに濁った静寂を飲ませよう。人間は平等な墓石の上で草になるのを待っているから。広がって他を照らそうとするものをそれ以上の絶対的な光で鎮めよう。あらゆる広がりは人間の狂った尊厳が自滅した痕跡に過ぎないから。人間は結合しましたね、磁石のように。結合した人間は関係を吐き出し雲を作り、その雲を社会と呼びます。雨と雷が泣き声になって降ってくるのはそれが歴史だから。磁石の磁場をどこまでも微妙に感じてわずかな振動を与え、雨と雷の悲劇を楽しみつつその虚構性に存在の真実を認め、ただ振り返ることもなく社会をケーキのように切り分けてゆっくり食べること。それだけでいい。自分の頭を光
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