不等号記号 など四篇/クナリ
 
の中の一角にスペースを設けて、そこへ一枚ずつ積んでいった。
ある年、何の気なしにしおりの束をつまみ上げ、ぱらぱらとめくって名前を見ていった。
その半ばで、同じ人の名前ばかりが固まって現れる箇所があった。
涙がこぼれたりはしなかったけど、制御しきれない感情が胸にあふれた。
こんな時に、どんな本を読めばいいのかはいまだに分からない。










<不等号記号>
憧れると
喜びより
ため息の数の方が
多くなるふしぎ。









<アナログ>
あれは私がイラストを描くのが楽しくなり始めて、一年ほどした頃。
絵を描くのが趣味の人達
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