踊らん 哉/
フユナ
あいだに ある フェンスに
ひとすじ
つる が 絡み付き
夕にしか咲かない花を
咲かせている
僕は 動かない
動かないまま 君を見ている
動かないまま見ることが
いつのまにか
僕の 恋になってしまった
あいだに ある フェンスに
ひとすじ
上に行くしかない つる が
ほんの少しずつ 伸びている
太陽には近付けても
君に近付くことはできず
つる はフェンスに添って
ひとり 螺旋を 描いている
言葉も発せられない
僕のかわりに
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