月を眺めていたら ふと感傷的になった/文字綴り屋 ひじり
 
だと思っているから 
彼のためにもっと強くなろうとしている彼女を止めることはできない 
一緒に風を受けてなお微笑もうとしている彼女を愛おしく思えば思うほど 
彼女を止めることはできない
だからこそ狂おしくなるのだ 
彼女が倒れそうになったっとしても支えられるように
踏ん張りきれなくて一緒に倒れたとしても 
彼女を包み込んで倒れこめるように 
切なさよりも悲しく 
愛しさよりも愚かしい 
狂おしさが彼の愛なのだから

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