いつかIさんがそう言ったように/AB(なかほど)
気がついてみると
あの頃にようには心や脳が
動かなくなった
のか
とかなんとか
そんなことはないはずで
身体と心のあちこちがゆるんで
ちょっとやそっとしたことなんかで
胸が高鳴り
涙を流している
使い古されてしまった言葉を並べるのが恥ずかしく、億劫になってしまって、ましてやこんな何の足しにもならないことをみなに伝えるのが文学のはしくれになるものか、なんてことを
いつか、そう
ずいぶん前にIさんがはるかにかっこいい喩えでそう言ったように
もう
あの頃にようには表現できないだろう
それがよいかわるいかはそれぞれで
つぎの答え出す前に
Iさんはまたずっと先に行ってしまいそう
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