ぶっつけ未詩 3/Giton
 
私がたいせつにしている彼女から来た手紙と葉書の束
百年後には、彼女の全集を編もうとする出版社が
血まなこになってさがすかもしれない
それまで朽ちずにいるだろうか、この世から消えずにいるだろうか
そんなことには私は関心がない、もちろん今は雲の上にいる彼女とても‥

その山荘に装甲警官らが迫ったとき
彼女の男はまっさきに爆死した
インティファーダなどではない
たんなる爆弾自殺だ、証拠隠滅だ、魂という名の証拠の隠蔽だ
同志は銃を乱射して、ひとりまたひとり、倒れていったが
彼女は戦闘に参加しようとさえしなかった

警官隊が進入して来たとき、彼女はかんたんに拘束された
手錠をかけ
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