金環日蝕/
月形半分子
上を向いて歩こうと
永六輔が詩を書いていた頃
人はみんな、ひとりぼっちだった
今も、自分がたったひとりぼっちだと知る者が、見上げるのは空だ
ひとりぼっちよ、空は青いか、暗いか、しょっぱいか
永六輔が言うことには、空は、大勢の者に揃って見上げられることを嫌うらしい。
どうりで、空はたまに、瞳を閉じたまま、背を向ける
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