電球/山部 佳
 
量販店でメモリカードを買ったついでに
あれこれ眺めていると
昔、夜店でよく見た透明な電球が
仰々しく棚に陣取って光っていた

こんなもんが、今頃なんで?
棚の売り文句を見ると
これが、省電力で長持ちのLEDだと…
少々、恐怖を感じる

ベッドの頭元で
私の寝る前の読書を快適にしてくれている
それは蛍光灯ではなく電球だ
私の人生で、何個も交換してきた

スイッチを入れた瞬間に
ぷちっと命絶える…潔い
その潔さが、私は好きなのだ
役目を終えた物の引き際

蛍光灯は好きではない
死に際が見苦しい
根元が真っ黒になりながら
しぶとく点灯したりする

LEDはどうなのか…
ぶちっと死ぬのか、だらだら死ぬのか
もっと嫌なのは
今、これに交換してしまえば
もう私には交換する機会がないのであろうと
想像することである

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