わたしの猫は/
もっぷ
わたしの猫は名を呼ぶと
どこに居たって走って来た
わたしの隣に居たとして
動けばどこでもついて来た
疑うことを知らない仔
たとえばそこがガス室でも
あるいは壁が押し迫ってくる
そんな部屋でも
わたしが招けばあの仔は
必ず入っただろう
一つっことも迷わずに
十七年を生き抜いて
いまは静かな回向院
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