わたしはどこで生きればいいの/黒髪
色の薄いピンクした煙が空を漂っている
この場所は、世界の屋根の下にある火葬場だ
おどろくべきことに、神さまは面倒を見ないという
薄汚れたビル群が、異邦の地を区分けしている
言い訳と嘘がごちゃまぜになってしまった時代の果てに
人々は経験によって気付き始めている
愛と憎しみの恐ろしい思念が空を飛んで行く時に
神さまは自分の不手際を悔やみ
涙の代わりに雨を落とすのだと
自分がいなくなるなんて想像できないよねえ
でもそれは本当なんだ
悔しくて言葉が出ない
まだまだ、人の言葉は、見きれないほどあるよ
世界という本のページは閉じられていない
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