オーブのテーマ(プロパガンダ)/はしごだか
なった胃で
息も止まるほど嘔吐して
幸福などないと知れ
──その微熱の牢獄
透明な面
のたうち回るようにして動く
根源の点
「オーブ」
満天の星のドーム
この町を覆う
意味よりも多く
「オーブ」
沈黙を破る豪雨
痛すぎて時を止めた
トーチカの閉じたトビラ
──その鋭角を描く
正弦の辺
萎縮すればするほどに早く
収束する円
「オーブ」
逃げ続けてきた勝負
焦点がブレている
カーテンが燃えている
「オーブ」
空へ伸びるスロープ
そびえ立つビルに欠けた
バラバラの朝のかけら
打ちひしがれた者たちへ
価値のないこの星で
勝ち目のない賭けをして
どうせなら派手に散れ
プライドの切れ端で
最後にくすぶる熱い火で
あしたへの架け橋へ
四の五の言わずに、ひた走れ
傷ついたその足で
真っすぐなまなざしで
なにもかも投げ出して
なりふり構わず、
あれこれ迷わず、
いま輝き出す
陽にまじれ
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