幸福不信/葉leaf
 
辞めさせるか相談をしているに違いない。雨のしずくが霧のようになり、さらには体をじかに透過していく高速の分子になる。私はとんでもなく仕事ができないのだけれど、周りがそれをフォローして何事もなかったことにしてくれているにすぎないのだ。段々会社の建物が時間のへその緒のように不吉に見えてくる。私は月のように永遠に落下していたい。落ちる所などない無限の落下を続けていつまでも切り刻まれ耐え難い苦痛を味わい血の塊として血をまき散らしていたい。不幸は私の母であり、私は不幸の胎内で眠り続け、あるいは不幸の乳房から乳を吸い続けていたいのであった。それがコウフクなのであった。

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