幸福不信/葉leaf
駅に向かう坂の途中に咲いている朝顔に人形の首がぶらさがっている。天気は訪れる時期を間違え続け、今日も橙に人々の肉を染め上げている。鉛なのか鋼なのか定かではないが、いつでも重い金属が鼻孔の奥に挟まっていて、さらには脳梁に向かって硬い花弁を差し向ける。私は異形の者。人々は私を普通に扱ってくれてはいるが、醜く気持ちの悪い私を憐れんで優しくしてくれているだけ。私は人間を超える以外に道はなかったので化け物扱いが布袋のように心地よい。人々が波のように会社に向かっていく中、落とされていく海の破片が道路に散らばっている。山は太古の昔に存在し、現在は絶滅したあとの伝承を華々しく語り継がせている。もはや踏
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