人へ/葉leaf
帰る
〈幸福不信〉
幸せは寄せては返す波のようなもの。
一定のリズムに乗った大きなものの到来。
だが僕はその波が幸せであることを知らない。
ただの砂浜に打ち寄せる水だとしか思わない。
それよりも照りつける太陽のような不幸をいつまでも信じつづけていたい。
何もかも醜く暴いてしまう光だけを浴び続けて。
〈支配と被支配〉
権限が大きくなった分だけ却って支配されるようになった。
部下を支配すると伴に部下からの評判に支配される。
誰からも名前を知られるようになったがその分多くの視線に厳しく焼かれる。
栄光はいつでもひっくり返ってそれでも栄光だ。
成功とは監視の無限乱反射の坩堝に投げ込まれること
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