猫はサワン/MOJO
 
にいる種では、なんといっても猫にシンパシーを覚える。あのしなやかな身体で摺り寄られると、ほんの一瞬ではあるけれど、私は充足する。これから語るのは、ある猫との不思議な交友の思い出である。
 その頃、私は、東京の東はずれのJR駅ビルに隣接する、ショッピング・モールの一角にある惣菜を売る店で働いていた。朝の八時頃から、店の奥に設置された油釜に、冷凍のコロッケやらメンチカツやらを放り込み、揚がった順にトレイに並べる。十時の開店の頃には、海老天やイカ天、かきあげ天なども、ガラスケースの内側に並ぶ。お向かいの漬物屋のおばちゃんが、箸を舐め々でっかい梅干を大皿に並べ始めれば、シャッターが開くと同時に、ディズニ
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