陸族化の娘/
るるりら
あたかも 大判小判が収納されていそうな 船箪笥
大判小判を満載しても この金庫は水に浮くのだと 婆ちゃんは云ってた
財産なんてなあ
とおに歴代の方々が 使い切ったことを 知ってるよ
もう この箱の中には
無垢な心しか 入っていないのだ
だから
すてき
きっと 無垢な心のはいった この箱を持つ私は
大海に放り出ても 浮くのだろう
雨降りがつづくと きまって私の心は 船を漕ぐ
戻る
編
削
Point
(16)