私信/加藤
広い空を駆けめぐって 笛の音が鳴る
温度も 音も風が吹いて やっと分かる
迷いの全て飛んでいく こすれてはひりひり泣く
夜の木の葉もこすれては鳴く
これから先 深くなる
親切な 夜の合図だ
何もつかまないこの手のままで
風吹く夜には 考えた話も 言葉になって
感じたことが 混ざってゆく いい気分で 酔い続けて
夜は黒で 昼はあわい
心は虹で 人は温もり探している
今夜は全て 包まれてしまう
耳をすまして 外に続いている音が
あなたの足音だと 思った
ふりむかないで 下を向いて 話もしないで 光っている
座ったりゆっくりしたり話すことは むずかしすぎるから
今夜はきっとあなたの足音が 耳をすますと 外に向かっていると思う
あわてないで 帰って来るだろう
夜の長さを 知っているから
静かに 心は 夢を見る
そんな 空間を見つけている
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