街の箱/プテラノドン
街の箱
そこで遮断機は間延びした挨拶をする
走り出した少年は億劫な表情で振り返る
無益な背中へ 罵声を上げるかも知れない
少年の背後でにじむ夕暮れは
街を陥没させ、
「磔にされた。」
それぞれが街の粒子
それぞれが皆の 粒子
離れて行く紺青の足並みは
場当たり的に歩道橋へにじり寄る
模索する眼球は成熟を期している
君のいない景色は脆弱なまま
場末の宵へ這い上がろうとした
宇宙の細胞、
「俺たちの輪郭。」
こめかみの脇で反芻される
排気音はうるさい
皺がよる枕もとの瞼
夢の中では戦時下の兵士が
銃口の先で 蜘蛛の巣をつついて遊んでいる
かつて兵士
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