それで?/yamadahifumi
多分、それはもう語られたのだろうと僕は思う。だから、あの時、君は沈黙したのだと。
君は『世界』を知っていた。それ故、君は沈黙した。だけど
それ故に、人は君を馬鹿にした。こいつは
『何も知らないんだ』って。
君はいつも、一人の人を愛する事に専念していた。だけど
その一人は君の目にはどうしても映らなかった いつまでたっても君の目に映ったのは
湖水に映った影だけ
だから、君は水晶のように透明な瞳で
ひとつかみずつ、世界を壊していった
君の愛に値するものは、この世界にはひとかけらもなかった だから君は
ひとかけらずつひとかけらずつ
世界を壊
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