色エンピツ/瓜田タカヤ
なんか今にも盗れそうだ
すぐにでも剥がして
あんたにあげられそうだ。
俺
風景は無期限にあえぐ
霧のコンビニエンスストアで
何も切り取らずに
五感を放置する
人妻
首長竜はそんなに長くもナインでしょうって
俺の腰をさわる
女医室の女医
版画家の甥
愛のコォフィー豆
熱風越しのフェラ
蛇の形態をとる右腕
パンチ力は電気信号を不自然に奏で
ヒーターの熱に安堵し
アマゾンに憧れた女は
ランダムに尾てい骨を振るわし
濡れた木のテーブルをかじる
背骨に溜る蠅
かすかに羽根をよじる闇の揺らぎ
黒の全部
存在の蠅
俺は想像上の蠅取り紙でなんとか人間を型どる。
存在の蠅に染み込んでいなくては
浅い建物さえもそよげない
宇宙でも生きている君をあいしている
色エンピツの芯が簡単に折れるくらいに
君を求めている
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