錆ついた風見鶏 八/信天翁
 
青い時を濡らすように
 赤い空を泣かすように
  白い風を脅かすように
   黒い光をなだめるように
   (梅雨の雫が一滴また一滴)
   ベランダの樋からの滴りを
老いたおひとりさまは眺めながら
   それでも 体調を掻き寄せ
     変調を拾いあつめては
 鈍い想いの端にひっかけている
 鬼籍一丁目に転げ落ちることを
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