九まで数える/大覚アキラ
 
一番好きだったのは

二人のくちびるが
触れるか触れないかの瞬間

三回目に逢った時
予期せぬ打ち上げ花火に照らされて
アスファルトに映った影くっきりと

四月が来て
もう逢えないかもしれないって
そんなくだらない嘘つかれて泣いた
とんだエイプリルフール

五時になったら
ハイおしまい
そんな仕事に就いてたら
毎日おまえに会えるのにな
って冴えない口説き文句

六本木って
何回待ち合わせしても
ちゃんと会えたためしがない
向こうにチラリと東京タワー
あのてっぺんから
おまえの名前叫びたいよ

七ならべは嫌いだ
おまえはイジワルだから
出せる
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