こうかい、している/みもる
どんな大船に乗っていても
いつかは必ず傷ついて
壊れてしまうんだ
目的地の島には
いくら乗り継いでも
辿り着けない
ある人は途中で諦めてしまい
ある人は志半ばで逝ってしまった
新しい船を探すことには
本当に疲れてしまう
うんざりしてしまう
それでも僕はばかだから
気がつくと
寂れた港で船を待ち続けている
いつまでも
いつまでもいつまでもいつまでも
誰もが一度は行った事のある
その夢のような島に
僕も行ってみたいから
最近はもう
こうかいの仕方もわかってきたんだ
愛着のできた船は
できるだけ降りないほうがいい
ずっと
君に揺られていたかった
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