いのちをまもること/
朧月
つばめはどこかからきて
その羽とくちばしで巣をつくる
からだいっぱいに巣にすわり
せいめいをうみだそうとしている
わたしというにんげんが
うろうろとその下で動いても
まっすぐにただ見下ろしている
そのくろい瞳にであうと
私がとても小さくなってしまい
あしの下の蟻にさえも道をゆずってしまう
頭上でおこなわれるその毎年の営みに
家族はみな期待し
背筋をまっすぐにする
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