いのちをまもること/朧月
 
つばめはどこかからきて
その羽とくちばしで巣をつくる

からだいっぱいに巣にすわり
せいめいをうみだそうとしている

わたしというにんげんが
うろうろとその下で動いても
まっすぐにただ見下ろしている

そのくろい瞳にであうと
私がとても小さくなってしまい
あしの下の蟻にさえも道をゆずってしまう

頭上でおこなわれるその毎年の営みに
家族はみな期待し
背筋をまっすぐにする
戻る   Point(3)