僕の部屋には/チャオ
 
両親から送られてきたりんごを食べた。

早く立派になりたい

屋上の空でもない地上でもないコンクリートの上で

ものぐさな空腹は僕の目を覚まさせた。

両親から送られてきた肉が腐れた。

疲れたと呟くには早い

腐れた鳥が言った。

そうかなと、僕は首をかしげた。

弱虫は嫌いだといわれたことがたくさんあって

いつの間にか悪女の子を苦手がってた

「ホントのことを言えばもてるんだけどね。」

誰かに言った言い訳が恥ずかしい。

腐った鶏肉の歪んだ匂いが部屋に充満している頃

ようやく出来た新しい彼女は僕の部屋へ「来たい」といった。

僕はへつらう笑顔で「肉が腐れてると」いった

彼女はすかさず僕の顔を見た。

もちろん僕は戸惑うことを忘れずに

もう一度「肉がくさいんだ」といった。

彼女はそれきり何も言わなかったけど

僕の家に来たいとは、なかなか言わなくなった。

だけど、りんごだけは腐らなかったから

今、僕はりんごを食べている。

早く立派になりたいと思っている。

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