心中/瑠音
 

夜を行く
トラックの隙間を縫って
大きなランチマットをひとつ縫い上げた頃
あなたがふいに言い
私が答える

私の夜は紫とグレーだ

聞いておいて気のない返事を返した人に
言われた通りに微睡みを繰り返す夜はぬるくひたりと
長く

横顔ばかり見ている
それは隣にいられるからだと
気がつくと少し息をするのが楽になった

自分で言った科白に責任を持たない人
微睡みを何度も邪魔して

あなたが誘ったのだから何も考えていない

あなたについて行くと決めたのだから何も考えていない

自分の行動に責任を持たない私
そのたびに何度も目覚めた

きっとこれでよいのだ
トラックの隙間を縫って
2枚目のランチマットを縫い上げる頃
目覚めた私と眠らずに夜を吸ったあなたは

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