未熟なアンテナ/加藤
ぼんやりものを見て
不十分にしか読み取れない
だからそれでいいと
思ってはいけない
この手も 腕も あるのはなんのため
この足も 目も 動くのはどう使うため
知らないけれど
知っている答えがある
逃げられる時と
逃げられない時がある
とりあえずそれを考えた
心の中に紛れ込んだ
ちりぢりのうろこ雲
大きくなっていかないか心配になって
今していることを少しやめてみた
考えを誰かに借りてきて
成長した気がしていて
借り物は借り物だけど
それも一部自分になっている
作り物だけど
決して作られてはいない
そう思うと
きれいなものが
近付いて来る
明るくて
心の中に花を咲かせている
何もかもが目の前でくらんでしまう
その中に私は住みたい
私はふるえている
待ってくれていると信じてここにいる
頭の中に 文章が羅列してあって
何千も速く流れて文字を目で追ったら
小さい悩みは消えてゆくのかもしれない
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