予定/殿岡秀秋
 
時刻表通りに来るはずの
予定という列車を待つ

今日は宴会で
ぼくが進行役だ
何もかも遅れがち
ぼくはイライラする
十分おくれで
皆をのせて出発する
宴会がはじまる
打合せで
飲み代込みと約束したのに
レストラン部は追加注文は
別計算にするといいだす
ぼくは抗議するが
結局おしきられる
それでもどうやら終わって
帰途につく

予定通りにいかないことばかり
半年先に組まれた会議にも
やって来る列車に乗って
参加することになるのは
ほぼ間違いない

日々の予定をこなしていくと
やがて
最後の乗車の日を迎える
胎道を頭からくぐるように
トンネルをぬけて
見知らぬ駅に着く

息をしていない
目は視えない
そのときぼくの苦悩は
確かに終わっているのか
こころはフォームに立って
予定との食い違いに
戸惑っていないだろうか

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