金曜日/itukamitaniji
さぞきれいなんだろうなと 隣で僕は想像して
誰かに連れてってもらいなよって 強がって君に言った
その手を引っ張って連れ出す勇気が
僕にもあったならば良かったけど
僕はひとりきり さみしいうそつきになる決意をする
君への想いを 人知れず心の中にしまいこんだなら
卵みたいに抱えて こっそりと温め続けていく
いつか孵化した 新しい心で君に会うために
いつもの十字路で 「また明日」と言葉を掛け合って別れる
違う向きに同じ色の空を見上げ 離れていく背中が二つ
その坂道の途中 小さくなっていく背中を振り返る体が一つ
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