「君」を捨てたまえ/yamadahifumi
無数の人間が小説を書き
無数の人間が詩を書いている
誰もが自分を知って欲しくて
誰もが自分自身を叫んでいる
でも、その自分というのは何だろうか
君はテレビの中の人間を見て
羨ましいと思った事はあるだろうか?
彼らがあれだけ人気があるのは
「自分」を失ったからなのだよ
誰よりも徹底的に自分を捨て去った者が
自己なきこの世界では誰よりも喝采を受ける
タモリを見たまえ 彼の全てを受け流すその態勢を
彼は個性などという奇妙なものをとっくの昔に捨ててしまったんだ
だから、彼の胸に流れる喜びも希望も悲しみも全ては
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