黒い星に生まれた女の謌/ハァモニィベル
沸々と煮えている過去が
億光年の果てから
這って来るような
ソノ音がふつふつと
耳に辿り寄せるたびに
白くなりかけた記憶は
徐々に泡だって
蒸気のように巻き戻され
瞳の前にあらわれつづける
刻まれた あの頃
戻れない 幸せ
耐え切った あの
耐え切れぬ辛さたちの
思い出したくもない 顔 顔 顔・・・
あの、長いながい
道程(みちのり)のすべてが
いまは もう
重い一瞬の連続
その
あらゆる場面で・・・
轢かれて死んでいる
自分がいる
それが
一斉に起き上がり
鍋の底を焦がしながら咆える
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