ここからの地/
加藤
迷う先に
足は動かず
困惑の中
夜は進んで
静かに閉じる戸が重い
右に向かえば痛み
左に向かえば病み
動揺を隠せず
何度目かの一歩は
それより先へ行けない
叩いた手の軽快で無意味な様子に 笑顔
心ない笑顔は崩れやすい
速く突き進み
頭を揺らし
めぐらせ果てる
空っぽの胴体を
なでている
怖がりの目をして座っている
微々たる風にぶれが生じる
騒ぐ心に笑顔を被せ
元来た場所に今の憂い預けた
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